サッカーで強いキックを蹴るための3つのポイント

インサイドキック

強いキックを蹴るために

サッカーをしていれば誰でも「強いキックが蹴れればな…」という気持ちになることはあると思います。

まずはとにかくたくさん蹴ることが大切でしょう。もちろん量はとても大切です。いっぱい蹴ることでしかわからないこともあるでしょう。

ですが、いくら蹴ってもなんだか上手にならなかったり、考えながら蹴る練習をしていればもっと違ったんじゃないかな…とも思います。

今回はそんなキックに伸び悩んで一皮向けたい選手に向けて、強いキックを蹴るためのポイントを3つご紹介します。もちろん子供に教えたり、お父さんがこっそり練習するにもいいと思います!!

スイングスピードが重要

ロングキックやフリーキックでのカーブ、ブレ球、弾丸シュート。色んなキックの種類や局面があります。

それぞれの局面にあった「蹴り方」を理解することもとても大切なんですが、キックの強さの基本は「スイングスピードが速い」ことです。

スイングスピードを高めるために必要な身体の使い方を考えてみようと思います!!

スイングスピードを上げる為の3つのポイント

  1. 蹴り足が柔軟
  2. 軸足で強く踏ん張れる
  3. 体幹や腕のトレーニングも行う

これがスイングスピードを上げる=強いキックが蹴れるようになる為のポイントです。

蹴り脚と軸脚の特徴を理解する

蹴り足はどうなっている?

キックのフェイズ

これは蹴り足(右足)が時間でどのように変化していくかでフェイズ分けしています。股関節と膝関節に注目してみましょう。

「バイオメカニクス」(生体力学)と呼ばれる分野では、キック動作を力学的に分析しています。分析のために、キックをフェイズ分けして分析します。

キックする足は、一回股関節と膝関節を大きく後ろに反らしていく時があることがわかります。この後ろに大きく振りかぶっている瞬間は、テイクバックなどと呼ばれており、早く足を振るためのエネルギーを蓄えていると考えられています。

つまりキックする足は筋力そのものはもちろん、しなやかにテイクバックするゴムのような柔軟性と収縮性を必要とすることがわかります。

そして蹴り足の動きは体幹や反対側の脚の影響を受けているようです。ではその「軸足の動き」とはどんなものなのでしょうか?

軸足のポイントは?

では軸足はどうなっているでしょう?連続写真で言えば左から二番目を見てください。軸足を大きく前に踏み出しているのがお分かりでしょうか。

蹴り足が大きく後ろにテイクバックできると強いキックの準備ができるのですが、わざわざ自分で「大きく後ろに振りかぶるぞ!!」とテイクバックするのは間違っています。軸足を大きく前に出すことで、自然とキックする脚は後ろに大きくテイクバックさせられているのです。

ですが、大きく脚を踏み出すと、その分不安定にもなりやすいですよね?軸足はバランスも重要になります。

キックは全身運動である

キックは腕の使い方や体幹、軸足などたくさんの指導ポイントがあります。「キックは全身運動」と聞きますが、その根拠はなんなのでしょうか?

キックする脚の筋力さえあれば強いキックになりそうな気がしますが…。「全身が大切」と言う根拠よりも、「キックする脚の力だけで、このボールスピードが出るのか?」という観点からそう考えられています

  • 蹴る脚の筋肉の収縮だけでは、プロ選手並の球速が出せない。(120~130km/h)
  • 股関節、体幹の能力の低さやバランスの悪さがキックによる傷害を引き起こすと考えられている。
  • 蹴り脚の動きは、身体の他の部位の影響で変化する。

筋肉が単純に収縮するスピードだけでは、瞬間的にこんなスピード出せないんです。これは野球の投球動作とかでも言われていることです。

全身をバランスよく使えないと、スポーツ障害にもなりやすいわけです。急にキックの練習や筋トレをいっぱい始めて、股関節周りを痛めるのはこのためです。

体幹の使い方

体幹は伸展してから屈曲する(胸を張ってから曲がる)

実際によく体幹は伸びてから縮みます。運動学的な用語で「伸展して屈曲」します。ボールにインパクトする際に、全身の力の向きをボールに向けるのです。

腕の使い方

腕の使い方

これは腕の使い方に関しても同様です。全身を伸ばしてエネルギーを貯めて、キックする瞬間に合わせて全身を縮めていきます。

キックの練習も重要

ちなみに結構有名なクリロナの始球式です。やっぱり練習していない動作は優れたフィジカルを持っていてもあまり生かされません。(よく運動学習の講習会などで使われているネタですね。)

スイングスピードを上げるフィジカルと、実際の用途にあった蹴り方を選べることが重要です。

今回はスイングスピードを上げる為の身体の使い方についてまとめてみました。

ツイッターでキックのトレーニングに良さそうな動画を紹介していますので、興味がある方はそちらもご参考にしてください。