2020.02.11.改稿
ロングキックについて調べて当サイトへ辿り着いた方へ。
先日、「ロングキックの教科書」をまとめました。こちらのブログも日進月歩で新しい内容に書き換えていますので、最新のまとめに興味があればこちらをご覧ください。
こちらでは↑に記載されている内容について、ご紹介していきます。
目次
ロングキックの理想を知る
どうすればロングキックを遠くに飛ばせるようになるのか…?
とにかくたくさん蹴るのもありでしょう。たくさん蹴っていく中で考えるはずです。この蹴り方だとこうなるな、これだと力んでいる割には飛ばないな、これだと全然高さがないな…。
自分でたくさん蹴って自分のフォームを探す中で、何か道標があればいいなと以前から思っていました。そこで、自分で調べてまとめてみることにしました。
ここに書いてあることに科学的な根拠はあまりありません。ただたくさんプロ選手の動画を分析してわかった特徴と、自分が関わっているアマチュア選手(関東1部から小学生まで)がやってしまうエラーを比べることで「いい身体の使い方」が何なのかを推論してみました。
ロングキックのポイント
- ボールを蹴り上げる角度は45度
- バックスピンをかける
- インパクトは足の甲
- 横から見ると足はどうなっている?
- 前から見ると足はどうなっている?
- 足は斜めに差し込んでいる
- スイングは「低く、内側に」
ボールの軌道は45度がベスト

45度より高い場合、ボールは前よりも上に向かい、飛距離は短くなります。45度より蹴り上げ角度を大きくすると、前より上方向へ向かうベクトルが大きくなるため飛距離は少し落ちます。ですが前へ向かうスピードも落ちるため、パスの受け手はタイミングを合わせやすくなります。また、バウンドして遠くへ転がりにくくなるためスペースへ蹴りやすくなります。
45度より低い場合、ボールは低く早く前に向かい、飛距離は短くなります。45度より蹴り上げ角度を低くすると、上方向より前方向へ向かうベクトルが大きくなるためボールが前へ向かうスピードは早くなります。受け手も蹴り手もタイミングを合わせないといけませんが、素早く受け手の足元へボールが渡るため、早い展開には向いています。
基本としては、45度の角度で蹴り上げることを目標としましょう。基本のキックを覚えた後に、局面に合わせて少し軌道を高くしたり低くしたりできるようにすればいいと思います。
インパクトは足の甲でする

身体で生み出したエネルギーをボールへ伝達するために、足の甲へしっかりとボールをインパクトさせなければいけません。
足の甲は硬く大きく、ボールの中心を捉えるのに適しています。足の甲の骨は楔状骨、舟状骨と呼ばれる骨です。うちくるぶしや距骨と呼ばれる足首の骨にも当たっているという文献もありますが、重要なのは楔状骨と舟状骨にしっかりと当てることです。
また、「インステップ」とは「足の甲」と言う意味です。ロングキックも足の甲で蹴るため、インステップキックに含まれると言えます。
バックスピンをかける

ボールへはバックスピンをかけます。ボールにバックスピンをかけると、マグナス効果と言うボールを上方向へ押し上げる力が生じます。この結果、ボールはより上方向へと力を得ることができ、飛距離が伸びます。
もちろん、着地点に落下してから遠くに転がっていかないようにという意味もあります。
横から見ると足はどうなっている?

足首の関節は解剖学的には「距腿関節」という名称です。距腿関節の運動は、つま先を上に向ける「背屈」と、下に向ける「底屈」があります。距腿関節の運動は、横からみると観察しやすくなっています。足の甲で蹴る「インステップキック」は図で言う「底屈」運動だと教わっているのが一般的だと思います。

では、ロングキックはつま先を伸ばしたインステップキックで蹴られているのでしょうか?プロ選手のロングキックのフォームを分析すると、上図のような足首の角度になっています。プロ選手は、つま先を下に向けてロングキックをしていませんでした。
ロングキックも、足の甲でインパクトするインステップキックであることは間違いありません。ですが、普通インステップキックとはつま先を下に向けた蹴り方を想像すると思います。この蹴り方でも飛距離のあるキックが蹴れるのでしょうか?

上図の左はいわゆる普通のインステップキックです。足の甲に当たりますが、当たったボールは前方に押し出されます。インパクト面である足の甲がちょうど真後ろから前へ押し出すようになるのですが、これではボールが高く上がらなくなってしまいます。
上図の右はプロ選手がロングキックを蹴る際に行なっていた足首の使い方です。足をボールの真下に差し込んで足の甲をインパクトさせています。足の甲に当たっているので、これもインステップキックであることは間違いありません。ですが、この場合は足の甲が斜め上を向いています。このように足の甲が斜め上を向いていることで、ボールがインパクトした瞬間から高く上がり飛距離のあるボールを蹴ることができるのではないかと考えています。
“底屈位だが、足の甲は上向き”なのです。
足首は前から見たらどうなってる?

横からロングキックを観察すると、足をボールの真下に差し込んで足の甲へインパクトさせていることがわかりました。そこで次は前方から観察してみました。横から見た時はをボールの真下に差し込んで見えていたため、前からみても上図左のようにつま先が前を向いていると仮説を立てていました。
ですが実際に前からプロ選手のキックを分析すると、上図右のような蹴り方をしていました。つま先は外を向き、足をボールの真下に差し込んでいるようには見えませんでした。
実際に動画を分析していると、このように横からみた場合と前からみた場合で足の差し込み方が異なって見えるという矛盾が生じていました。
足は斜めに差し込んでいる

足の見え方が前から見る場合と横から見る場合で異なるのは、上から見て足を斜めに差し込んでいるからだと考えています。このような角度で足をボールに当てているのであれば、前から見た時と横から見た時で足の見え方が異なる理由も説明がつきます。

斜めに足を差し込むことで、足の甲(内側〜背側)でボールにインパクトができます。その結果、図のように斜め上の軌道でボールを押し出しバックスピンをかけられます。
スイングは低く、内側に

これはプロ選手のロングキックのフォームの特徴を表した図です(左足で蹴っています)。股関節は内転(クロスステップのような、脚をとじる運動)をしており、あまり股関節は曲がっていません。(曲がる運動は屈曲といい、腿上げのような動きです)
横から見ると、あまり股関節が曲がっていないので、足が高く上がっていないように見えます。

ロングキックのスイングは、「足を高く上げないこと」が重要です。プロ選手のキックのテイクバック動作(振りかぶる動作)やスイングの際体幹を捻る動作はとてもダイナミックに見えます。ですが意外とフォロースルーは小さく落ち着いているように見えます。図は足を上げ過ぎてしまうキックをする選手とプロ選手の、スイング中の足の軌道の比較です。「後は大きく、前は小さく早く」と言ったイメージを持って振り抜くと良いかと思います。

低くスイングする利点は、ボールの中心より下からスイングをしてキックの軌道を高くし、バックスピンをかけるためだと考えています。図は先ほど説明した「足は斜めに差し込む」利点です。低くスイングすることは、ボールの軌道を高くし、飛距離を出すと言う目的に適っていると考えています。
おわりに
いかがでしたか?
冒頭に記載していますが、本記事は「ロングキックの教科書①」の一部を掲載しているものです。もっと多くの人の目に触れて頂こうと思い、こちらに掲載しています。ぜひご覧になって下さい。
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実際のプロ選手の蹴り方からわかったまとめはこちらです。↓ぜひこちらをご覧ください。