腕と体幹
以前キックは全身運動だと記事を書きました。
キックに限らず、ヒトは無意識的に全力を出そうとすると全身を駆使してパフォーマンスを出そうとするようです。ではサッカーの中、特にキックでは上半身はどのように使われているでしょうか?今回は上半身(腕、体幹)の使い方についてまとめてみました。
どんな意味がある?

右足でキックするなら左腕に注目してしてみましょう。斜めの関係ですね。キックする脚と反対側の腕は同じような役割を持って協調して動いていることが多いです。脚が後ろにあってエネルギーを溜めている時、腕も同じようにエネルギーを溜めているということです。上の図をご覧ください。脚が後ろにあるときは腕も後ろに、脚が前にあるときは脚も前にあります。もう一つ身体的特長からも考えてみましょう。

内転筋はキックの力原となる大きな筋肉です。さらにその内転筋とくっついているところが似ていて、似た役割を持つ筋肉があります。腹斜筋群と大胸筋です。これらの筋肉は部位は違うものの、すべて骨盤の方に力を寄せる方向に働く筋肉です(だいぶ話を簡単にしてますが)。つまり上手な選手はこのように余すことなく全身を使ってキックの効率をあげているのではないかと考えられます。
腕の使い方は?

腕の使い方を観察していると、大まかに2パターンに分類されます。上の図はどのように腕の使い方をコントロールしているかを簡単に説明したものです。Top positionというのは、「遠心性から求心性に切り替わる時の腕の位置」をさしていますが、難しいですね。「ここから力を入れてキックに行くぞ!!」となった瞬間だと思って頂いて差し支えありません。その瞬間が一番腕の位置が高い選手もいれば、一度もっと高く上げて、そこから下がってきて力を入れ出す選手もいます。前者はUpperタイプ、後者はDownタイプなんて分けて分類できます。大体多いのはUpperタイプで、Downタイプは珍しいです。こんな感じで先ほどの「どこまでは力を溜めているところで、どこからは力をボールに向けて行くところなんだろう?」と考えていただけるとフォームの改善などにも良いかもしれません。
脊椎(背骨)はどうなってる?

実は背骨もとても大切なチェックポイントです。上の図は背骨がエネルギーを貯めている時とボールにぶつけている時の特徴を線で協調してみました。最初は逆Cになっている背骨が、フォロースルーではCになっていますね。これも腕と同じです。脚や腕が大きく後ろに伸びている時に背中を反って力を貯めて、インパクトする際にボールに力が伝わるよう背中が丸まって行きます。これはキックだけでなく、投球なんかでも同じような現象を見かけます。同じような仕組みでボールにエネルギーを伝えていくのではないでしょうか。
こういった各部位の柔軟性がなくなり必要な可動域が出ていなかったり、不必要なところが動いたり、安定していなかったり、運動のタイミングがあっていないことがあるのが「協調性の低下」なんて呼ばれたりして痛みの原因になっているのかもしれませんね。
まとめ
- 腕も力を溜めている時と、ボールに向かって行く時がある
- 腕の使い方はTopまでどんな風に使うかをチェックしてみる
- 体幹も大切な力源 逆CからCへ向かう動きが重要
肩のストレッチも大切ですよね。絶対パフォーマンス上がるんですけど。
いかがだったでしょうか?当ブログではできるだけご本人に役立つものを提供できるよう、わずかながら実践できる運動まで合わせて紹介できる、実践型のブログを目指していきます。ぜひご興味のある方へのご紹介などよろしくお願いいたします。