宇宙開発
どんな選手でもキックミスをすることはあります。ベッカムもネイマールも、バッジオだってPKを失敗しています。しかも信じられないような軌道を描いて。キックを「ふかす」なんて言いますね。今じゃ「宇宙開発」なんていうこともあるそうです。メンタル的な要素も十分あり得ると思いますが、今回その要素は一旦置いておきます。なぜならメンタルは結果的に技術面のエラーを引き起こしますが、「なぜキックがあんなに上に飛んで行ってしまったのか?」という技術面の理解がないことには、根本の原因が解決しません。そして何より、この動画を見てこう思いませんか?世界のトップ選手達でも、ほんの少しの手違いでこんなに大きくキックの軌道が変わってしまうなんて!!と。
ちなみに1位は質が全然違いますけどねw
今回はキックをふかす理由や原因を探る方法、身体的要素を確認していきます。
キックの弾道はどうやって決まる?

こちらは以前別記事で説明した、蹴り上げの角度と足の差し込み方のイメージです。
ロングキックを蹴るときは、45度が一番いいよねーというお話でした。そして足の甲に当てるなら一番下の段みたいに、足を横に差し込むといいよねーというお話もしています。
ロングキック蹴るなら、弾道は高くていいですよね。(高過ぎても良くないですけど)
ですが、PKを蹴る局面やゴール前でクロスに合わせるといった局面では、弾道を不必要に高くしないように抑えて、クロスバーを越えないようにしたいですよね?
思いがけずキックする足が横から差し込まれてしまったり、蹴り上げる当て方を間違えて弾道が高くなってしまったとしたらどうでしょうか?もしくは何かしら身体能力的な理由でそのようになりやすい可能性もあります。
「本来蹴り上げるべき角度とは違う角度で蹴り上げてしまう。」おそらく、これがキックを「ふかす」直接の原因になります。問題は、これがなぜ引き起こされてしまったのか?を理解することにあります。もう少し別のシーンもみてみましょう。
慎重になる程インサイドキック
どうでしょう。恐ろしい動画ですよね。サッカー嫌いになるかもしれません。戦犯扱いされたりするかもしれません。
冗談じゃなくジュニア世代では塞ぎ込んじゃうかもしれませんし、キチンとアドバイスしてあげるべきだと思います。こうすればよかったんだよ、こんな局面こそこうやって蹴ろうね!!と。中学生、高校生は自分で局面を想定して練習に励みましょう。理論があると何かミスやスランプがあった時に立ち返る場所になるからです。
では具体的に何を注意すべきかです。まずタイトルにある通り、サッカー選手はこういった場面ほどインサイドキック を選びたくなると思います。まずここに罠があります。動画には色んなシーンがありますが、特に上方向に外しているシーンをいくつか参考にしてください。実際インサイドキック のような感じで「当てに」いこうとしている選手が多いと感じませんか?
ですがインサイドキックは、ボールへのインパクトが

こんな感じになりやすいんですよね。動くボール相手では、ほんの少し走り込むタイミングが合わなかったりボールがイレギュラーするだけで弾道が高くなる可能性がグッとあがります。インサイドキック は正確性を売りにしているものの、弾道が上がりやすいということを理解しておいてください。
じゃあインステップで思いっきり蹴ってこいってことかと言われると、それも違います。不必要に思いっきり蹴りにいってふかす選手もいますよね。それはそれでトレーニングがあるのですが、まずはこのインサイドキック でふかしてしまう問題を解決しましょう。
では具体的にどこにアドバイスをすべきでしょうか?
「どこに踏み込むか」をアドバイスしよう

インサイドで「当てに」行くことはむしろ判断的には誤っていないと思います。アドバイスすべきは「軸足とボールの位置関係」つまり、「どこに軸足をどこに踏み込ませるべきか」です。上図は軸足とボールの位置関係とボールの蹴り上げ角度の関係を示しています。ボールを軸足の前に置いた状態でインサイドキック をします。すると、弾道は上がりやすくなってしまうのです。これは、図の左に書いてあるように実際のインパクトを優先してバランスを崩してしまい、ボールを下からすくい上げるようなスイングになりがちだからです。
↑バランスを崩すことに関してはこちらをどうぞ
特に緊張する局面では、ボールをしっかり目で確認して、バッチリインサイドキック をやってやろうと思います。するとこんな感じになります。

なんとなくイメージがつきませんか?確かにこんな感じでしっかりバッチリ蹴りたい気持ちになるんです。しかしこんな時こそ、実はボールの真横に踏み込ませます。そしてリラックスして当てればいいだけなんです。と、言うよりはボールの真横に軸足を置きさえすれば、自然にそのまま走る感じでふかさないキックができます。
まとめ
- なぜキックの軌道が上になってしまうか、を理解することが大切
- 足を横から差し込むと、軌道は上がりやすい。不必要にボールの下を叩いている原因を考える
- インサイドキック はそもそも弾道が上がりやすい。緊張したガチガチのインサイドキック をさせない。
- 軸足とボールの位置関係をアドバイスする。もしくは意識してみる。ナチュラルにキックをふかさずに蹴れるようになる。
いかがだったでしょうか?当ブログではできるだけご本人に役立つものを提供できるよう、わずかながら実践できる運動まで合わせて紹介できる、実践型のブログを目指していきます。ぜひご興味のある方へのご紹介などよろしくお願いいたします。