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鈴木選手の特徴
鈴木選手は身体能力も局面からの得点感覚にも優れていますが、こういったゴール前でのリアクティブな得点も取れる選手です。なかなか面白い準備をしているシーンがありましたので分析してみました。
2018/04/25 鹿島VS神戸
では状況確認をしてみましょう!!
GKが触ったことでリアクティブなボールになる

ありふれたクロスなのですが、キーパーが触ったことで予想できない反応になっています。最近特にこういった「予期せぬボールにどう反応するか」が大切であると感じています。そしてゴール前は特にそういった事態に備える必要がある局面であり、DF、OF、GKなどポジションはそれぞれですが、全員に「リアクション」の練習をする必要があると思います。そして大切なのは、より良いリアクションをするための準備です。ここで面白い準備をしていた鈴木選手をみてみましょう。
なんだか低くないか?

GKが触る直前の鈴木選手を見てみると、なんだか腰を落として待機している様子が伺えます。別のアングルから確認してみましょう。

どうやらスクワットのように腰を落としているようですね。こういった姿勢がいいとか悪いとかは一旦置いておいて、このような準備を鈴木選手が取っているということに鈴木選手の意図を感じることができます。では一連の流れを確認してみましょう。
一度レオシルバ選手のキックフェイントがある

一度レオシルバ選手が+方向へクロスを上げるようなキックフェイントを入れます。鈴木選手は一旦そのタイミングに合わせてゴール前へ加速するようなアクションを見せます。しかし実際レオシルバ選手は右サイドへ縦にスルーパスを出したため、鈴木選手はスペースを自分で失う結果になります。(ミスではなく、実際クロスが上がってくる可能性があるため必須な動きです)そのため、次のサイドからのクロスに対しては、スペースに飛び込んでマークを外すことはできなかったのだと思われます。鈴木選手はここでこんな動きを取ります。
サイドステップでニジニジと動いて、「待つ」

ここで鈴木選手がニアで勝負するのではなく、待った理由についてはわかりません。さらに言えばそこにボールが飛んでくる保証もなかったと思います。ですが鈴木選手は相撲のように細かいサイドステップを踏んでいます。この局面でこのような動きをしていたのは鈴木選手だけでした。ちなみに、左→右→右→左とステップを踏んでいるように見えます。このような変則的な動きはサイドステップの特権と言えます。
飛んできたボールに反応できる身体の使い方

スペースに飛び込むようにヘディングをする時は、走ってくるだけでもかなりの勢いがつきます。
ですが、このように止まったところからヘディングをする時は特に上半身の動きで頭を突き出しやすくする必要があります。肩甲骨や腕をうまく使っているのがわかりますね。さらにもう一つ、ヘディングはタイミングが合わず下から突き上げると、ボールをナメて、軌道が上にいきがちです。ヘディングでも「ふかして」しまうことがあるわけですね。ですがこのようにお尻を高く上げることで、頭が前下方へ出ていきます。このような身体の使い方で、突然訪れたチャンスにも対応していると思われます。