ジョー選手の身体の使い方 パス編

インサイドキック

名古屋が磐田に6-1で勝った

名古屋は強い…。今はすごくチームが機能しているんですね。羨ましい限りです。磐田は少しミスが目立った感じもあります。批評が出来るといいんですが、僕は身体の使い方しか話せないのでいつも通り行かせていただきます。

ジョー選手アシスト2本!!やるなぁ…。ではPKで少し動作を見ていますので、実際の試合では身体の使い方、蹴り方がどうなるのか観察してみましょう。

カットインからのアシスト

まずこちらのシーンですね。状況確認いきましょう。

左利きの選手の右サイドからのカットイン

よくあるパターンと言えばよくあるパターンです。左利きの選手を右サイドからカットインさせることで得られるメリットは、「質のいい」パスをゴール方向へ送れることです。「質のいいパス」とはモーションが小さく、早いパススピードを出すことが出来る膝下型のパスのことです。


今回と似た局面をかつて分析しました。イニエスタ選手がJ初ゴールを決めた時のポドルスキ選手のパスです。この時の方がDFからのプレッシャーが厳しく、カットインのアングルも急だったように思えます。

イニエスタ選手とポドルスキ選手の分析の続きはこちらからどうぞ

イニエスタとポドルスキ Jリーグ初ゴールを身体の使い方から解説

2018年8月13日

今回のケースではDFのプレッシャーがなく、CB同士の距離が開いてしまい、厳しいパスコースではなかったと思います。その証拠に、そこまですごいパススピードでなくてもこのパスが通ってしまいます。

キック動作を観察する

ジョー選手のキックを観察してみましょう。よくみて気づいたのですが、視線も蹴る方向に向けないようにしていますね。細かいテクニックも使っています。

ここで気になるポイントは腰が横に張り出しているようにみえる点です。上半身も斜めに傾いています。実はジョー選手はPKを蹴る時もここが気になっていました。

PKの時の軸足方向へのキックをチェックする

これは以前記事で書いた時のじPKを蹴るジョー選手です。ジョー選手は軸足の股関節の回旋があまりうまくないのかもしれません。股関節の回旋がうまく出来る選手は、ジョー選手のように骨盤だけが横に出て行くことはあまりありません。今回のパスも前回のPKも同じような身体の使い方をしています。これはジョー選手の動きに何か基本的な問題があるのかもしれません。代表レベルの選手でも、機能的な問題がある可能性はあります。同じ試合の他のパターンも分析して見ましょう。

PKに現れる身体能力 ジョー選手 対 西川選手

2018年8月30日

クロス気味のアシスト

1:53〜ですね。もちろんガブリエルシャビエル選手のトラップもむちゃくちゃうまかったんですが、ジョー選手のアシストに注目してみてください。

左利きに意識が向き過ぎる

磐田が集中切れちゃったかなぁって思ったのは、DFの距離感でした。全体的に距離を置いて眺めてしまうシーンが多かったですね。

ジョー選手は左利きで、左側にボールを置いて蹴られることに警戒が向くと思います。実はこの局面であれば左側へ行かせた方が安牌だったかもしれません。よくプレーヤーをされていると経験あると思いますが、ここで左側へのドリブルを警戒するあまり、右側(ここでいうと実際パスが出た方向)のパスへの対策が甘くなってしまうことがあります。ここは膝下型のインサイドキックが可能な方向なので、質のいいパスを出されてしまいます。実は左サイドにいる左利きは、ゴール前ほど右方向を気にしないといけなくなります。こうゆう点も指導すると面白いと思ってます。

キックの分析をしてみる

どうでしょうか、DFはやはり中へ蹴られることに寛容になってしまっていると思います。あのスペースは通されると危ないはずですが、「左利きに左方向でやられる」ことを警戒しすぎている気がします。ちょっと藤田選手(CBで中央でパスが通るのを目の前で眺めてしまった)は集中が途切れてしまったかもしれません。

ではジョー選手の蹴り方をみてみましょう。こちらはスピードを追求したため、余計に腰が張り出しています。モーションが大きいですね。これは骨盤が側方に流れすぎてしまうため生じる結果だと思います。ちなみにこうゆう選手の身体機能に関するチェック方法などは以前書いてあるのでご覧になってみてください。

インサイドキックのトレーニングに必要な知識 理論編10000字

2018年7月5日

まとめ

以前書いたジョー選手の身体の使い方が他の場面でも観察されていたので、ここでもまとめてみました。ジョー選手はこの骨盤が外に流れていくシーンが多いことから、サイドへの早い動きや方向転換がウイークポイントになるはずです。元ブラジル代表に付け入るスキをこのような所から探していければなと思います…。

と思いながらもこうゆう身体の動きとか、使い方、蹴り方なんかをみるのが好きな方が楽しんでくれればそれが一番だなと思います。

ご笑覧ありがとうございました!!