上手なロングキック(ロングフィード)の蹴り方②足首の差し込み方とインパクト

インステップキック

ロングフィードに重要なのは、球質

上手なロングキックの蹴り方

2018年6月25日

物理的には45度の角度で押し出された時、最もロングキックの飛距離が出ます。

ですが実際の試合を観ていると、ボールの回転がを調整することがかなり重要なファクターであることがわかります。狙ったポイントで減速するような回転をかけたり、軌道を高くしたり低くしたりコントロールできることが実際のプレーで生きるキックであると言えます。

ボールの軌道

軌道が高く、ポイントへゆっくり落ちていく。
バウンドしてもボールは遠くへ行かないため、受け手はタイミングを合わせやすい。

ロングフィードに求める軌道はこんな感じだと思います。バックスピンがかかり、軌道は高く真上から落ちてきてバウンドしても遠くへ転がっていきません。

軌道が低く、前に進むスピードが早い。
バウンド後も早く転がり、受け手はタイミングを合わせるのが難しい。

ロングフィードが必要な場面でも、このような球質でボールが送られてきた場合はどうでしょう。敵DFも対応しにくいため、インターセプトもされにくいですが、受け手のタイミングは相当シビアになります。

大切なのは、受け手のタイミングに合わせて、スペースへボールを送れること。思い描いた軌道やスピード、バウンドで蹴れることです。その中でも特に重要な「高い弾道で、バックスピンをかけたロングフィード」に必要な身体の使い方を確認しましょう。

大切なのはフォーム(蹴り方)を固めること

当サイト以外でも、「力を抜くこと」をポイントにしているサイトが多いと思います。私も主観では、力んだキックは思った軌道でのキックになりません。
ですが、蹴り足の筋力や下肢(脚)自体の重量などもキック力にはとても重要なファクターであることは科学的にも間違いありません。
キックスピードや、単純な飛距離を追求するのであれば、今上げた要素は非常に重要です。
大切なのは、「自分で思った通りの球質でボールが蹴れる」ことです。そのためには、「このフォームで蹴ればこんなボールになるぞ」と頭と身体で理解して、フォームを固めることが重要になります。

実際、蹴り方が変わっても飛距離はそんなに伸びない印象があります。ですが、球質や軌道は変化することは間違いありません。まずはフォームを固めて、そこに乗せる筋力や身体作りを重ねていくべきだと思います。

フォームづくりのポイントは3つ

フォームづくりで意識しておきたい3つのポイント

①足は横から差し込み、内側にインパクトする
②軸脚(軸足)はボールから少し離す
③飛ばしたい方向へスイングを向ける


この3つを抑えるだけで、ロングフィードは間違いなく変わります。
まずは①についてまとめてみました!!

足は横から差し込み、インパクトは足の内側

「足を横から差し込む」とは図の上側のような足の向きで蹴ることを言います。
このように横から足を差し込むことで、蹴り上げ角度とインパクト部位、そして回転の全てロングフィードに適したものになります。

足は横から差し込む

足を横から差し込む(横スイング)場合と、縦から差し込む(縦スイング)場合の違い

足を横から差し込むことで、よりボールの下の方から中心に向かってインパクトすることができます。まずこのように打ち上げ角度(仰角)を作り出すことができます。

インパクトする部位

ロングフィードでインパクトする部位は、よく「親指の付け根」とか「親指の付け根をボールの下に入れる感じ」、または足の甲の横側といった説明が多いが、実際の所ははっきりとわからない。

インパクトする部位はこのあたりですが、正確な所はわからないと思います。「親指の付け根」「足の甲」がいい、とよく説明がありますが、ボールの中心を捉えているのがどこかはビデオ映像と主観でははっきりわかりません。

ですが、仰角を作り出すためには横から足を差し込む必要があるのでインパクトする部分は間違いなく足の内側の骨のどこかになります。

スイングはそのままの高さで

インパクトする部位(舟状骨、中間・内側楔状骨、それか中足骨~中足骨頭)は足が下から入っていけば自然と斜め上にボールを打ち上げてくれる。スイングを意図的に上にしなくても良い。

ボールの下の方をインパクトすると、自然とボールの打ち上げ角度(仰角)が作られます。これは足の骨の構造上の問題です。スイングに関しても、「フォロースルーで足を上に上げる」「上半身を後ろにそらす(起こす)」などと言った表現がありますが、インパクトする瞬間は特に意識しなくても良いかもしれません。ですが、上半身に関しては前に倒す(前傾)か、起こすか(後傾)でキックの軌道が大きく変わります。(起こす方がかなり軌道は上がります)

バックスピンが必要な理由

マグナス効果によりボールの軌道はより上方に向かい、飛距離が伸びる

バックスピンはボールを上方向に変化させるので、自然と飛距離が伸びます。
また、軌道が高くなり垂直にボールが落下しやすくなる、バックスピンそのものでバウンド後も遠くにボールが跳ねていかなくなることもロングフィードに必要なことです。

マグナス効果に関してはこんな動画もあります。参考にどうぞ。ボールの軌道がすごく変化するのがわかります。

ふわっとした軌道で蹴れないのはなぜ?

足の甲に近い部分で当ててしまうと、スネやくるぶしにもインパクトしたり、ボールを芯で捉え過ぎてバックスピンがかからなくなる

バックスピンをかけたロングフィードをイメージしているのに、シュート性の低い弾道で無回転のキックになってしまう。そんな悩みもあると思います。そんなタイプの方は「インステップの芯に思いっきり当てる」蹴り方をしている可能性が高いです。

インパクト部位の修正

距骨と脛骨(内くるぶしと足首あたり)でインパクトしている人は、ほんの少しだけインパクトする部位を足先にするようなイメージを持ってみる

そんな人はもう少しだけくるぶしより先に当てる感覚で試してみてください。親指の付け根のインパクトは、正直正解なのかわかりません。

中足骨頭(親指の付け根)でインパクトをイメージすると、ボールの下を蹴り過ぎてしまう

個人的には、距腿関節(足首)から遠いところでインパクトすることは関節の安定性にかけると思っています。また、中足骨は逆に地面スレスレ過ぎて、ボールを「滑めて」しまい、スピンばかりがかかってしまいます。足の甲であれば、ちょうどボールの芯にあたり、かつ軽くバックスピンをかけることができるインパクトになりやすいはずです。

これくらいのバックスピンでも十分に軌道を高く保てます。

インパクトの重要性

ロングフィードは、何より受け手とタイミングを合わせることが重要になります。まず飛距離より軌道、回転を狙った通りに扱えることが大切ですね。特にこの軌道や回転はどのように足を差し込むか、インパクトさせるかを知っていることが重要だと思います。ぜひイメージして蹴ってみてください。