スイングスピードを上げる
ロングキックの飛距離を伸ばすために、「スイングスピードを上げる」ことが不可欠です。今まで行ってきたロングキックの分析の傾向から、オススメのエクササイズをお伝えします。
股関節回旋系エクササイズ
股関節の回旋、足を前後に開くアシンメトリーな肢位がロングキックの特徴に当てはまると思います。ロングキックは最後の一歩を大きく踏み込む必要があるので、この踏み込みを大きくして飛距離を伸ばしたい人には良いと思います。
このように膝立て位でエクササイズを行うことで、太腿やふくらはぎや足の指で余計な力が入ってしまうことも改善が狙えます。膝立ち位では骨盤から運動を動かさないと方向転換や立ち上がりができないため、下部体幹を使って動きを作り出そうとします。
キックは身体の中央に近い関節から発生した動きを抹消に伝えることが重要ですので、このようなエクササイズは力まずにスイングスピードを上げるために必要な運動です。
こちらも似ているエクササイズですが、足首の使い方が参考になります。内返し位で荷重して動くところがロングキックに似ています。
内転筋系エクササイズ
ロングキックのスイングは低めで、内転方向へフォロースルーをするのが特徴です。そのため内転筋のトレーニングは自然とスイングスピードを上げる効果があると思われます。
蹴り足の内転筋を収縮させることも重要なのですが、もう一つ重要なポイントがあります。それは軸足です。
軸足側(ここでは上側の足)の内転筋も収縮させることで、自然と骨盤が上に上がっているのが動画からわかると思います。実際のキック動作でも、内転筋は骨盤を側方へ動かすのに役立っています。このように内転筋はスイングの力源としてだけでなく、骨盤を側方に移動させることで軸足を斜めに傾けることにも貢献していると思われます。
そしてこの時、地面に手を着いている側の体幹側屈が促されるのも良い効果だなと思います。最後まで内転方向に力を入れると、自然と腹斜筋群の収縮が促されてくることを感じられると思います。この腹斜筋群の収縮が、ロングキックを蹴る時に上半身のバランスを保持する働きもするかもしれません。
股関節屈曲系
股関節屈曲(曲げる)系エクササイズは、単純に曲げることよりも「腰椎の前弯を維持する」ことが重要です。少し難しい表現なので、簡単に説明します。
股関節を屈曲するエクササイズは、動画のように、腰を少し反るような姿勢を維持する指示をすることが多いです。このような姿勢を「腰椎の前弯」と言います。
腰椎は少し反っている状態が一番バネがある状態と考えられています。ロングキックの時も同様に、すこーし腰を反った状態が維持できている方が動きがスムーズになります。
ですが、この腰を反る動きを背筋で意識的に行って欲しくないのです。理想は股関節屈筋が収縮すると、自然に腰が反るようになるのが理想です。
実際は腰がそると言うよりは、腰のあたりが丸くなら図に上半身を真っ直ぐ保てればOKです。動画の2:07の所で素早く腿上げをしていますが、その時に上半身を真っ直ぐ維持できているのがわかると思います。
このポジションがしっかり取れていると、スムーズな重心移動と素早い股関節屈曲が可能になり、スイングスピードが上がります。
おわりに
ロングキックに重要なエクササイズをいくつかまとめてみました。どんなキックでもスイングスピードを上げる必要はあるので、やれば効果が幅広く出ると思います。ぜひ皆さんもトライしてみてください。内転筋系のトレーニングはいきなり始めると痛めることも多いので、回数や強度を調整してはじめてみてください。