ロングキックを飛ばすためのエクササイズ コペンハーゲンアダクション

インステップキック

コペンハーゲンアダクションエクササイズ

ロングキックのみならず、股関節内転筋のトレーニングはサッカーのパフォーマンスアップと障害予防に関係しそうです。

今回はコペンハーゲンアダクションを実際に行うに当たって、意識すると良い身体の使い方と回数、導入方法などを紹介します。

動きのポイント

注意しておきたい点は、股関節内転は軸足の運動が重要だと言うことです。
軸足側というのはこの場合、上で固定している方の足と言うことです。この運動は右脚を閉じることではなく、骨盤を持ち上げることで左脚の内転筋を鍛えるトレーニングなのです。

ロングキックのようなスイングが低めのキックを蹴る場合、重要なのは軸足を斜めに傾けることです。(軸足を斜めに傾けることで、ボールの下の方に足が入れやすくなります。)

このように軸足が傾くためには、骨盤が軸足側に移動しなければなりません。

歩行では股関節内転筋がまず骨盤を側方へ移動させ、それを外転筋で制動しています。ロングキックでも骨盤をまず側方へ移動させるのは内転筋かもしれません。

このトレーニングは、軸足の股関節を内転させる意識を持つことが重要です。

導入にあたって

コペンハーゲンアダクションエクササイズの難点は、導入や強度調整だと思います。
普段あまりしない運動のためか、ひどい筋肉痛や、一時的な鼠径部痛になってしまうことがあります。モチベーション的にも、エクササイズをやめてしまう人もいます。

そんな今までトレーニングをやったことがない方向けに、筋肉痛を抑えて能力アップをさせるための論文がありました。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31673404

回数と強度

レベル1〜5は等尺性収縮の難易度を漸増させている状態。レベル6は従来のCAエクササイズで、鼠径部痛を防ぐための遠心性/求心性運動であり、EHADの強さとEHAD/EHAB比を増加させる。(EHAD:遠心性股関節内転筋力,EHAB:遠心性股関節外転筋力)

レベル1:側臥位でサポートされた等尺性内転運動を行う。30cmのボックスに膝をつけ、短いレバーアームで行う。床から骨盤を持ち上げた後、サポートのために反対側の脚を地面につけます。
レベル2:レベル1と同じポジションで、サポートする脚を持ち上げます。
レベル3:レバーアームを長くするレベルへ進む。ボックスに足をつけて骨盤を持ち上げる。下側の足はサポートのために床につけたままにする。
レベル4:レベル3と同じポジションで、サポートする脚を持ち上げて上の足の高さに合わせる。
レベル5:ボックスの高さをヒップの高さまで増やす。(オリジナルのCAエクササイズと同様の高さ)
レベル6:パートナーとペアで動的な遠心性収縮を行う。パートナーが股関節の高さで足首と膝を支え、実施者が3秒かけて骨盤を床へ下げていく。その後、自分自身を支えながら脚を下げて、開始位置に戻る。

※1)を引用、参考して作成

どんなポジションで実践するかは原文に写真が載っていますのでご覧になって下さい。

この手のエクササイズで難しいのは、効果が出るまでの期間・しっかり量や強度を設定することだと思います。ですのでこのような導入を説明してくれる文献はありがたいですね。

なお、トレーニングは週2回行われたそうです。ぜひトライしてみて下さい。

参考文献

Polglass G, Burrows A, Willett M. Impact of a modified progressive Copenhagen adduction exercise programme on hip adduction strength and postexercise muscle soreness in professional footballers.